何でも上手にこなせる人。こなせない人。
器用な人、不器用な人。
仕事が早い人。遅い人。
人間には色々いる。
できる人が陥りやすいところ。
それは、「他の人も自分と同じ」と勘違いをしてしまうところだと思う。
だから、できない人を見ると
「何でできないんだ。」と怒ってしまう。
怒るを通り越して、本気で悩む人もいる。
できない人を理解できないのだと思う。
高校生の時に、
体育でバレーボールをしていた。
私は運動が好きで得意な方であった。
クラスの中で、チームに分かれて試合をすることになった。
相手チームからサーブがとんでくる。
それが何度も同じ子のところにとんでいった。
その子はA子ちゃん。A子ちゃんはあまりバレーボールが得意ではないようだった。
サーブが何度もA子ちゃんのところにとんでくる。
A子ちゃんは上手く打ち上げることができずに、相手の得点がどんどん加算されていった。
そして、チームは負けてしまった。
周りの子は、最初は「ドンマイ!」と声をかけていたが、次第に無口になっていった。
やがて、苛立ちに変わっていくのが空気でわかった。
私もそのチームにいたが、その場の空気からA子ちゃんが心配になった。
守りたくなってしまった。
試合中は何もしてあげられなかったが、
試合後の二人一組のパス練習
普段は仲のいい子と練習するが、真っ先にA子ちゃんを誘った。
みんなは驚いたかもしれない。
あの子のせいで負けた。そんな空気のままだった。
私は、運動が好きだが、バレーボールは体育でやっているくらい。
バレー部でもないし、背も小さいし、
人に教えられるレベルか!と笑われるかもしれないけれど、
A子ちゃんには教えてあげたかった。
腕を伸ばすとか、ひざを曲げるとか、基礎の基礎かもしれないけど教えてあげたかった。
A子ちゃんはできていなかったから。
これは些細な一時間の出来事であった。
高校3年間。たくさんある体育の時間の一コマに過ぎない。
それから一年以上過ぎた卒業式の日、
卒業アルバムに友達から一言ずつ書いてもらう風習がある。
私もみんなに書いたし、みんなにも書いてもらった。
その場で読む時間なんてないくらい、なんだか慌ただしい卒業式。
あとから、アルバムを読むと、
あの体育の時間の事をA子ちゃんが書いてくれていた。
気づかいがとても嬉しかったと。
私はそれを読んで思い出したくらいの出来事だったが、
A子ちゃんにとっては、最後に伝えたい一言にそれを選んでくれるほどの出来事だったのかと思い、
すごく嬉しかった。
その瞬間からこの出来事は、私の人生においても重要な出来事の一つとなった。
エピソードが長くなってしまったが、
できる人は周りも自分と同じレベルだと勘違いをし「何故できないんだ。」と怒ってしまうのだと思う。
もちろん、わかっているのに努力しない人とか、
わざとやらない人とかもいて、苛立つこともあると思う。
しかし、
自分でもできていない事をわかっていて、どうしてできないのかわからない人もいる。
迷惑をかけて申し訳ないと思っている人もいる。
誰かに聞きたいけど、恥ずかしくて聞けない人もいる。
できる人ならば、どうしてできないのかまで考えてあげる力量があるはずだ。
深読みをしてあげる余裕さえ見せられる。
どうせなら、そんな「できる人」になりたいものである。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
bee.


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